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借金を整理する方法には4つの種類があります。

  • 任意整理
  • 特定調停
  • 個人再生
  • 自己破産

の4つです。

債務整理をすれば支払いの義務が無くなる事も出来ますが、デメリットも生じてきます。
これからしようと思っている人は、まずこれら借金整理のそれぞれ基礎知識とデメリットについて把握したうえで利用するか検討する事をオススメします。

各借金整理の種類と大まかな内容まとめ

フィナンシャルプランナー:滝澤

それぞれの借金整理の種類と大まかな内容をまとめてみましたので、まずはこちらを参照の上、それぞれの借金整理方法をチェックしていきましょう。


借金整理の種類任意整理特定調停個人再生自己破産
申立の条件特に無し支払不能の可能性支払い不能の可能性支払い不能の場合
申し立て先裁判外の手続き簡易裁判所地方裁判所地方裁判所
法的性格和解同意調停裁判所の決定裁判所の決定
借金整理の成立条件各借入先との合意各借入先との合意各借入先の過半数の同意-
成立後の効果今後の利息カット&利息制限法今後の利息カット&利息制限法5分の1以上の弁済支払い義務免除

それではそれぞれの借金整理の基礎知識やデメリット、流れについて解説していきます。

任意整理の基礎知識

任意整理は裁判所が介入せず、債務者と債権者が双方で合意して整理を行う方法です。
簡単に言えば話し合いですね。

この方法は、借金が少ない場合によく用いる整理方法で
債務者と債権者が友人関係だったり元夫婦だったりとお金以外で何らかの関係であったり、
連帯保証人がいる場合や破産者として名を残したくない、自己破産で免債が得られない人がよくとる方法です。

債務者本人で話し合いをする事も可能ですし、弁護士や司法書士に依頼する方法も可能です。

任意整理のデメリット

債務者の名前に傷が残るといった事はありませんが、
話し合いで債務整理に関する知識や経験などが無い場合や依頼する司法書士や弁護士次第で、
債権者に有利な交渉や和解がされてしまい、交渉が不成立してしまい任意整理する事が不可能になる場合がよくあります
個人間ならともかく、消費者金融や銀行といった金融機関に本人が交渉するのはまず不可能と言われていますから、注意しましょう。

任意整理の流れ

任意整理の流れは以下の通りです。

本人で行う場合

  1. 任意整理案の作成
  2. 債権者との和解交渉
  3. 債権者の承諾(和解成立)
  4. 和解契約書に従い返済開始li>

任意整理案とは、一括弁済または分割弁済どちらで返済を行うのか提案し、詳細な希望条件や方法を記載し債権者との話し合いで用いる案です。
たとえば、一括弁済の場合は借金を一括で返済する代わりに未払い利息や遅延損害金、元金の一部をカットしてもらうよう記載したり、分割弁済の場合は債務者の毎月の給料等の収入から必要最低限の経費を差し引いたお金を支払総額として各債権者へ借金額に応じて3年程度で完済するよう分割して返済する旨を記載したりします。

弁護士や司法書士に依頼する場合

  1. 法律相談
  2. 依頼
  3. 受任に関する手続き
  4. 取引履歴の開示請求
  5. 利息の計算を行い債務額を確定
  6. 債権者との和解交渉
  7. 債権者の承諾(和解成立)
  8. 各債権者との和解契約の締結
  9. 和解契約書に従い返済開始

※弁護士や司法書士によって多少異なる場合があります

任意整理の条件

任意整理をする為の条件は特になく、債務者が返済する意思があればいいだけとなります。

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特定調停の基礎知識

特定調停というのは、金銭債務(金銭の支払いを目的とする債務で、買掛金/借入金/支払手形/社債等が含まれる)を負っていて経済的に破産するおそれがある人にしか申し立てできない方法です。
特定調停も任意整理と同様に話し合いで決める事なので、和解交渉が出来ない場合があります。

しかし、任意整理の話し合いとは異なる所があります
それは債権者を管轄している簡易裁判所の元で、債務者と債権者の間に調停委員会(裁判官や調停員)が仲介に入って和解交渉する事です。

尚、特定調停他の借金整理方法と比較して簡単で、特定調停としての資格があるかどうか裁判所が判断してくれます。
また、費用がほかの方法よりも少なく済みます。

特定調停のデメリット

特定調停の和解交渉が成立し、決定時に作成される調停調書は確定判決と同様の効力があります。
簡単にいえば、少しでも返済に遅れが生じたりした場合は簡単に強制執行や差し押さえをされてしまうという事です。

また、話し合いによって交渉が不成立であった場合はせっかく特定調停の方法を用いる事ができる権利を獲得しても、この方法で借金を整理する事が不可能になりますので別の方法をとらなくてはなりません。

特定調停の流れ

特定調停の流れは以下の通りです。

  1. 特定調停の申し立て
  2. 受理証明の発行
  3. 調停委員との面談
  4. 調停委員会仲介のもと和解交渉(残務整理の確定や返済計画の検討、調停案の提示が行われます。)
  5. 特定調停による債権者の承諾(和解成立)
  6. 調停調書の作成
  7. 調停調書に従い返済開始

特定調停の条件

話し合いによってきまった返済金額に対し、3年間(最長5年)以内に延滞や滞納といった事がない返済計画を立てられる事

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個人再生の基礎知識

個人再生には「小規模個人再生(個人事業主用)」と「給与所得者等再生(給与所得者用)」と2パターンあります。
それぞれ申し立てできる条件が定められております。
再生計画案を提出し、債権者の賛成決議が得られれば、計画案のとおりに借金を返済し残った債務が免除される仕組みになっています。

再生計画案とは
  • 再生債権に対する権利の変更(借金総額の何%にあたる金額を返済するのかの確定)
  • 再生債権に対する弁済方法(何年何ヶ月のうちにいくら返済できるの確定)※原則3年で返済頻度は3ヶ月に1度以上
  • 共益債権及び一般優先債権の弁済方法(個人再生により減額されない債権の支払い方法の確定)※社会保険料や住民税、離婚した元配偶者の子供の養育費の支払い等

これらを記載し、裁判所へ提出する重要な計画案です。
この再生計画案をみて債権者が賛成の決議をとりますから債権者の希望とあまりにもかけ離れた事が記載されていると、書面決議で否決されてしまう場合がありますので現実的にしっかり書く必要がある事を覚えておきましょう。

尚、自己破産とは違い、個人再生手続きでは住宅をもなくすことはありません。

個人再生のデメリット

将来、収入が見込めない人や借金の総額が5,000万円を超えている場合はこの手続をとる事ができません。
また、小規模個人再生(個人事業主用)書面決議債権者数・債権総額の50%以上の異議があった場合は否決とされ、債務金額が減額される事がありません。

個人再生の流れ

個人再生の流れは以下の通りです。

小規模個人再生(個人事業主用)の場合

  1. 個人再生の申し立て
  2. 再生計画案の提出
  3. 再生開始の決定
  4. 裁判官による口頭審問
  5. 債権届出・異議申立
  6. 債務総額の確定
  7. 書面決議の可決
  8. 計画案認可決定
  9. 再生計画書に従い返済開始

給与所得者等再生(給与所得者用)の場合

  1. 個人再生の申し立て
  2. 再生計画案の提出
  3. 再生開始の決定
  4. 裁判官による口頭審問
  5. 債権届出・異議申立
  6. 債務総額の確定
  7. 意見聴取の実施
  8. 計画案認可決定
  9. 再生計画書に従い返済開始

個人再生の条件

住宅ローンを除く無担保債務総額が5,000万円以下である方
将来において継続的且つ断続的に収入を得る見込みのある方

自己破産の基礎知識

自己破産は支払い能力が無い状況にある人

  • 多重債務超過による支払不能状態
  • 極めて返済が困難な状況の個人または法人

が生活最低必要基準資産である

  • 適正の評価値が20万円未満の自動車/有価証券/保険金/退職金/預貯金/生活必需品
  • 住宅ローンの残り返済額が適正の評価値を大幅に上回る不動産物件

を除く財産を放棄する事と引き換えに、免債を受けて全ての負債を帳消しにして救済を行い、生活再建の機会を与える借金方法です。

自己破産のデメリット

破産が確定しても免責不許可事由により、面責が決定されない場合は借金は残り破産者としての不利益のみが残ってしまいます。
官報(国、政府の機関紙)に掲載されますのでヤミ金などの悪質な金融機関から借入等の誘いが増える可能性があります。一般の人はまず見たりしませんのでそこは安心してもいいと思います。
また、自己破産の免債を受けてから5年~10年の間はクレジットカードやカードローン、カーローンなどの借入が一切利用出来なくなります。

自己破産の流れ

自己破産の流れは以下の通りです。

同時廃止(財産のない方)

  1. 自己破産・免責の申し立て
  2. 破産の審尋
  3. 破産宣告
  4. 官報に掲載
  5. 破産の確定
  6. 免責の審尋
  7. 債権者の異議申立
  8. 免責の決定
  9. 官報に公告
  10. 免責(自己破産)の確定

異時廃止(財産のある方)

  1. 自己破産・免責の申し立て
  2. 破産の審尋
  3. 破産宣告
  4. 管財人の選任
  5. 債権者の集会(債権確定・配当)
  6. 官報に掲載
  7. 破産の確定
  8. 免責の審尋
  9. 債権者の異議申立
  10. 免責の決定
  11. 官報に公告
  12. 免責(自己破産)の確定

自己破産の条件

過去7年間の間に自己破産の免債を受けた経歴のない方
債務の主になる原因が博打や浪費、努力をせずに偶然の利益や成功をねらう行為ではない方

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結論、借金整理ってどれを選べばいいの?

比較的返済能力があったり、借金がそこまで多くないなどといったいわゆる困窮度が低い場合は「任意整理」を選び、困窮度が高くなるに応じて「特定調停」「個人再生」「自己破産」と借金方法を選択するのが一般的です。
しかし、借金整理を行う人の環境や事情によって借金整理の方法が選べない場合がありますので、個人で判断したりせず弁護士や司法書士などといった人に相談してあなたに合った最適な方法を選択するようにしましょう。